精密診断 済

精密診断・精密治療について

当院が精密治療において最も重視しているのは、「設備があること」ではなく「診断の精度」です。マイクロスコープやCT・セファロといった設備は、正確な診断と治療計画を立てるための手段であり、目的ではありません。「情報があるのとないのとでは大違い」——この考えのもと、審査・診断・治療計画のすり合わせを治療の出発点としています。

精密診断・精密治療について

歯冠修復・根管治療・インプラント・フルマウス(全顎的)治療のいずれにおいても、共通して重要なのは「何が起きているかを正確に把握すること」です。2次元のレントゲンだけでは把握しきれない情報を、CTやセファロによる3次元診断で補い、医師が責任を持って治療方針を判断します。設備を活かすのは、あくまで「診断の精度を上げるため」という一点に集約されます。

診断を支える設備

CT(歯科用コーンビームCT)

CT

根管治療・インプラント・むし歯治療など、あらゆる精密治療においてCTによる3次元診断を重要な診断手順として位置づけています。
従来の2次元レントゲンでは把握しきれない骨の量・質・形態、神経や血管の位置、病変の広がりを立体的に確認できます。
特に根管治療では、根管の走行・分岐・副根管の有無など、治療の成否を左右する情報をCTから得ることが不可欠です。

マイクロスコープ

マイクロスコープ

肉眼より約25倍に拡大した視野で治療を行えるため、根管治療・むし歯治療・詰め物の適合確認など、細かな操作を要する処置において視認性を確保します。
「見えている状態で処置を行う」ことが、治療精度と再治療リスクの低減につながります。

セファロ(頭部エックス線規格写真)

矯正治療や全顎的(フルマウス)な補綴治療において、顎骨の前後的なバランスや歯軸の傾きを骨格レベルから評価するために使用します。
「歯並びを整える」だけでなく、「最終的にどんな被せ物をどの位置に入れるか」というゴールから逆算した治療計画を立てるうえで、セファロによる診断は欠かせません。
矯正専門ではないからこそ、補綴・咬合全体を見据えた診断ができる強みがあります。

審査・診断・治療計画の
すり合わせ

精密治療において最も重要なのは、設備を使いこなす「診断力」と、患者さまとの「すり合わせ」です。
CTやセファロで得た情報をもとに、歯周組織・咬合・全身状態を総合的に評価し、治療の方向性を決定します。

治療計画は一方的に提示するものではなく、患者さまのライフスタイル・ライフステージ・希望を踏まえて、ともに考えるプロセスです。
「何のために、どこを、どう治すか」を明確にしてから治療を進めることが、長期的な満足につながると考えています。

審査・診断・治療計画のすり合わせ

※1 確定的外科処置:歯周病の再発を防ぎ、メンテナンスしやすい歯周環境を作ることを目的とした外科処置。
※2 補綴治療:歯を失った部位に人工の歯を作って入れ、噛めるように補う治療(部分入れ歯/総入れ歯/ブリッジ等)。
近年はインプラント治療も補綴の分野として考えます。歯冠がむし歯等で崩壊し噛めなくなった歯に、残存歯根へ人工歯を被せて形態を補完する治療も含まれます。

フルマウス(全顎的)診断の考え方

一本の歯だけを診るのではなく、口腔全体のバランスを評価することを大切にしています。咬合の状態・歯周組織の健康度・骨格的なバランス・将来的な補綴計画——これらを統合的に把握したうえで、個々の治療に着手します。根管治療やインプラントのような専門的な処置においても、全体のゴールを念頭に置いた治療計画を立てることが、再治療や歯の喪失を防ぐことにつながります。

「診断」が治療結果を左右する

同じ設備を持っていても、診断の精度や治療計画の質は医師によって異なります。当院では、CTやセファロから得られる情報を最大限に活用し、「何が起きているか」「何をすべきか」「どの順番で進めるか」を丁寧に整理してから治療に臨みます。設備は手段、診断が本質——この考えを、すべての治療の土台としています。

MTA・マイクロスコープを用いた
歯髄保存治療

精密診断に基づき、歯髄(神経)を残せる可能性があると判断された場合には、MTA覆髄治療を提案しています。MTAは生体親和性・封鎖性・石灰化促進作用に優れた材料であり、適応症例において歯髄の保存を目指します。

治療ではマイクロスコープで拡大した視野のもと、低速ドリルや手用器具を用いて段階的にむし歯を除去し、ラバーダム防湿による感染予防を徹底したうえでMTA覆髄を行います。「歯髄を守ることが歯の寿命を守ること」という考えのもと、神経を残す治療を丁寧に行っています。

歯髄を保存できない場合があります

歯の状態によっては、歯髄保存治療後に歯髄の炎症等で抜髄処置が必要になる場合があります。予後は診断時・治療時の状態確認後に説明します。

適応症が限られます

非感染生活歯髄(C2相当)が適応とされています。ズキズキ痛む・温かいもので痛むなどの症状がある場合(C3)は非適応です。可否は状態を直接確認して判断します。

医師の技術・診断が重要です

むし歯の除去方法や処置の精度が治療結果に影響します。マイクロスコープによる拡大視野と丁寧な処置工程が、治療の質を担保します。

保険適用について

MTA覆髄治療は一部保険適用となる場合がありますが、基本的には保険適用外の治療です。詳細は診断時にご説明します。

よくある質問

なぜCTやセファロが必要なのですか?

2次元のレントゲンでは把握しきれない情報(骨の形態・神経の位置・病変の広がりなど)を3次元で確認するためです。情報の精度が診断の精度に直結し、治療の成否を左右します。

マイクロスコープを用いると何が変わりますか?

治療部位を確認しながら処置を進めることで、感染部位の取り残しや健全歯質への過度な侵襲を防ぎます。根管治療・むし歯治療・詰め物の適合確認など、精密さが求められる処置全般に有効です。

MTA覆髄治療は誰でも受けられますか?

むし歯の進行度と歯髄の状態(感染の有無・症状)を確認したうえで適応を判断します。症状がある場合(C3)は非適応となることがあります。

MTA覆髄治療を行っても、後から根管治療が必要になることはありますか?

歯の状態によっては、治療後に歯髄の炎症等が生じ、抜髄処置が必要になる場合があります。経過観察を行いながら判断します。

治療計画のすり合わせとは具体的に何をしますか?

検査結果をもとに、治療の方向性・順序・期間・費用の目安をご説明します。患者さまのご希望やライフスタイルを踏まえ、方針に納得いただいてから治療を進めます。一方的に提示するのではなく、ともに考えるプロセスを大切にしています。